獣の仕業

結成2008年。団員数6名。東京の小劇場を拠点に活動。
音楽的な発話と舞踏的身体を採用し、等身大の表現を超えて心に触れる作品を追求している。
苛烈と弛緩の繰り返しから作られる緊密な空間つくりに定評あり。この手法を用いてオリジナル・古典戯曲問わず上演実績を持つ。


代表よりご挨拶

 獣の仕業の代表をしております、立夏と申します。これを書いているのは2025年です。
 大学の部活で始めた時分から考えますとなんと二十年弱の時が経ってしまいました。時が経つのは早いですね。ひとえに支えてくださった皆様のお陰です。改めて心よりお礼申し上げます。

 ところで私、演劇を作るあらゆる工程が嫌いです。
 脚本を書き始めると本当に、もう本当にどうしようもなく気が狂いそうになります。この世のすべての手続きを憎んでおりますので稽古場を確保するのも滅法不快です。 いざ稽古を始めたら始めたで自分の段取りの悪さにうんざりしますし、演出や演技はいつまで経っても苦手なままです。本番は緊張する、感想は恐ろしい。公演が終わって劇場撤収の時には精魂尽き果てており打ち上げで盛り上がる気力はひとつも残っておりません。

「そんなだったらどうして演劇作っているんですか」
「それは演劇が好きだからです」

 いいですか皆様、よく考えてみてください。たとえば山のてっぺんからの景色を見てみたいと思った人間が、登山が好きとは限りませんよ。 そして何より大事なのはですね。執筆も、稽古も、本番初日も、千秋楽も、打ち上げも、どれもなんもてっぺんじゃないってことです。
 
 私、まだまだやりたいことがたくさんあるんです。作りたい芝居が山ほどあるんです。
 いつまでもずっとうまくなりたくて、面白い芝居をたくさん作りたいです。
 
 だからしかたないですね。これからも嫌になるほど山を登ろうという所存です。
 よろしければこれからもてっぺんまで、お付き合いください。

 2025年 3月某日 獣の仕業代表 立夏